interview 再開発組合3者会談

小杉町3丁目東地区
市街地再開発組合
事業推進担当理事
 新小杉開発株式会社
代表取締役社長 原 正人

小杉町3丁目東地区
市街地再開発組合
理事長 角川 榮喜

NPO 法人小杉駅周辺
エリアマネジメント
理事長 安藤 均

原様は、江戸時代から続く旧家の当主でいらっしゃいますが、
小杉にはどのような歴史があるのでしょうか?

実は小杉は、歴史的に非常に由緒ある場所なのです。
駅の北側を中原街道が走っていますよね。中原街道は東海道ができるまでは、
江戸と駿府(静岡)を結ぶ重要な表街道で、徳川家康が江戸入城の際にこの道を
利用したと言われています。
小杉はその中心にあって、家康は鷹狩を楽しんだり陣屋を置いたり、
非常にこの地を大切にし、宿場町としても栄えたのです。
当時の様子が偲ばれる史跡も残っており、最近では多くの方が観光に
訪れているようですね。大正から昭和になると、中原街道と府中街道が交差する
小杉十字路あたりが街の中心として栄え、ロンドン・パリと称されるほど
にぎわいました。一方小杉3丁目地区はというと、そのころは沼や池があり、
田んぼや畑が広がる何もない場所だったのです。

角川様は、武蔵小杉の商店街の要職として、
長年小杉3丁目地区を支えてこられましたが、
ここはどのように発展していったのでしょう?

角川
ここが発展し始めるのは、東横線や南武線が開通してからです。
昭和の初めごろ、ここには南武線の「グラウンド前駅」がありました。
大手企業の社宅が多かったのですが、東急電鉄が大学を誘致したり
宅地の分譲などを始めると、駅前にはにぎわいのある人通りが生まれ、
それに吸い寄せられるように警察署や郵便局、消防署などが次々と移転してきて、
やがて商店街が形成されて小杉の中心へと変わっていったのです。
つまり“道から生まれた街”が、小杉3丁目なんです。

安藤様も、旧家の当主であり、
現在はN P O法人理事長も務められていますが、
小杉の良さってどんなところにありますか?

安藤
多摩川や等々力緑地があり、自然環境に恵まれた場所だと思います。
多摩川はこの地にとっては“母なる川”。
その豊かな水のおかげで稲作や桃などの農業も潤いました。
あとはなんといっても交通の便がいい!ということですね。
都心や横浜へ20分ほど、成田空港へも乗り換えなしで行ける。
武蔵小杉は「住みたい街ランキング」で常に上位ですが、私はそれ以上に
今後は、「住み続けたい街」の上位になって欲しいと思っています。

住民や市民団体、企業等と横断的な連携を図り、
地域課題の解決や、魅力ある地域(エリア)の創造、
管理、運営(マネジメント)といった活動に取り組む、
NPO法人小杉駅周辺エリアマネジメントの理事長として、
小杉地区のにぎわい豊かなコミュニティを支える。

そんな武蔵小杉の中心地、小杉3丁目が、
2020年に「Kosugi 3rd Avenue」として生まれ変わります。
どんな想いで街づくりに携わってきましたか?

角川
ここで商いをしている人たちの熱い想いがきっかけとなって、
新しい街づくりへの気運が高まって再開発に至りました。
ここは歴史を振り返ってみてもにぎわいの中心でした。
ですので、マルシェなどのイベントができる広場や心地よいテラスとなる
ステップガーデンなど、ここにしかないにぎわいを継承する空間づくりを
みんなで考えてきました。
小杉3丁目のいいところを残しつつ、昔も今も、これからも、
にぎわいの中心となる、そんな街にしたいと思います。

2000年の再開発検討開始当初から事業に関わる。
2007年準備組合設立以降、事業推進担当理事として、
次代へと受け継がれる魅力あるまちづくりを目指して、
地元主体の再開発をリードしてきた。

道から生まれたにぎわいを継承する、そんな想いから「Kosugi 3rd Avenue」
という名前になったのですが、その「3」は3丁目の3だけではなく、
もっと深い意味があります。
一つ目は、3世代が垣根なく集える場所にしたい、ということ。
二つ目は、商業や業務、公共公益、住宅といった3つの機能が揃っていること。
三つ目は、クオリティ・オブ・ライフを実現する第3の場所(サード・プレイス)と
なること、などです。
ロゴが三角形なのも、この土地が二本の鉄道と府中街道に
囲まれた三角形の中心、“扇の要”であることや、
高層棟が三角形のユニークな形であることを意味していて、
ここが起点となって武蔵小杉にもっと出会いや交流、文化が広がっていくことを願う
旗印なのです。
安藤
この土地というのは昔ながらの文化を大切にする人がいて、
なおかつすごく新しい考え方を持っている人たちも増えました。
今NPO法人の理事長としてそういった地域の皆様の交流を支援する活動をしているのですが、皆様は交流に積極的で、様々なイベントが開催されており、
今ではほかの街からも参加者が増えています。
新しい建物には公共施設も整っているので、活動の場もたくさんあります。
新しいにぎわいが生まれていくので期待してください!

長年小杉3丁目で中華料理店を経営。
武蔵小杉駅前通り商店街振興組合の理事長を務め、
現在は(協)武蔵小杉商店街副理事長として
地元商店街を牽引する。

この街には歴史や伝統がずっと息づいています。それを絶やさず後世へ継承し、
単にブームに乗るだけでなく、本質的に豊かな暮らしを実現する、地に足の着いた街に
したいですね。